著書紹介

樋口孝夫(55期)

資源・インフラPPP/プロジェクトファイナンスの基礎理論

きんざい 2,700円+税 2014/6/23

 近時、日本企業によるアジアのインフラへの投資、あるいは日本国内の空港の民営化や老朽化したインフラの更新等、インフラ投資がよく話題になります。更に資源案件や最近では再エネ事業も世間の注目を集めております。これらに関連してPPPやプロジェクトファイナンスという言葉がマスコミでも紹介されます。しかしながら、このPPPやプロジェクトファイナンスの「理論」というものを説明した書物は日本にはほとんど存在しません。英文でかかれたものでもあまりみたことはありません。この「理論」を正面から解説したのが本書となります。教科書のような本ですが、日本におけるPPPやプロジェクトファイナンスの理解・発展に少しでも寄与できればと存じます。

福永(上田)篤志(59期)

トラブルに巻き込まれないための医事法の知識

医学書院 2,200円+税 2014/10

 医学生は、医学的知識と医療技術を学び、医師国家試験に合格して医師となる。しかし、実際の医療現場では、説明義務、善管注意義務をはじめ、多くの法律知識も要求され、医事法を熟知していないと、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまうおそれがある。実際の判例を医療現場の視点で読み砕いて、研修医をはじめ、すべての診療科の医師が知っておくべき医事法の知識を、現役の脳神経外科医が平易な言葉でわかりやすく解説したハンドブック。(福永)

森川剛光(62期)

Liebessemantik und Sozialstruktur - Transformationen in Japan von 1600 bis 1920

Transcript Verlag(独)32,99 € ISBN 978-3-8376-2832-6


正田 良(旧職員・50期)

濃さの向こうに広がる世界 −小中連携をめざす算数・数学へのヒント−

学校図書 1500円(税別) 2014/11/01

 小学校で算数が苦手になる危機は,割合が出てきたり,小数が出てきたりするところにあると言われる。80℃のお湯に30℃のお湯を足してもなぜ110℃にならないかなどの例は,合併と内包量との関係を眺めることに有用である。そうした小学校での危険な裂け目から出発し,小学校教員の卵の作品例を交えて,問題関心を1冊に広げてみた。その中で,感覚に対応する尺度やベクトルなどの,中学高校の数学へ発展する道筋を案内した。
 1980年代90年代に武蔵の中高に在籍し筆者からの被害を受けた諸兄に,これを手に取って戴き,「あいつまだこんなことやっているのか」とか,つぶやいて戴ければ望外の幸せである。【自評】


松本政雄(49期)

食道・胃・十二指腸の病気は内視鏡でラクに治す!

二見書房 1575円(税込) 2013/11/11

 内視鏡という言葉から、みなさんが連想するのはどんなことでしょうか。 患者さんに内視鏡検査を受けるようにすすめると、「え?胃カメラですか? つらいですよねえ」「苦手なんです。オエッとなるから」と否定的な反応をされる方が、少なからずいらっしゃいます。 この本を手に取られた方の中にも、「胃カメラ」で苦しい思いをしたという方がいらっしゃるかもしれません。 しかし、近年の内視鏡診療の発達は、目覚ましいものがあります。発達というより「進化」といったほうがよいかもしれません。
  私は、臨床現場で内視鏡を活用している医師の一人として、常日頃から、日進月歩の内視鏡診療の現状と内視鏡診療の優れたところを正しく知ってもらえたら、もっと多くの患者さんの病気を治すことができるのに、と考えてきました。 なぜなら、内視鏡診療が最も得意とするのが病気の「早期発見・早期治療」です。自覚症状のない早期がんの発見などには、バリウムによるエックス線検査より、内視鏡検査の方が精度が高いからです。
  ところが、いろいろな病気の本を見渡しても、内視鏡の検査・治療に焦点を当てて書かれた本はほとんどありません。内視鏡診療について知るには、口コミか、実際に病院に行って医師の説明を受けるか、インターネットで病気ごとにサイトを検索するか、せいぜいそんな方法しかないのではないでしょうか。
  そこで、内視鏡でできる検査や治療にはどんなものがあるのか、また、どうすれば内視鏡の検査・治療を苦痛や負担の少ない方法で受けていただけるのかなど、内視鏡診療について総合的な知識を持っていただくことを目的として本が必要だと感じるようになったのです。 本書の対象範囲は、胃・食道・十二指腸の病気に関する内視鏡診療です。実際に病院を受診するときに知っていると役に立つ事柄を、わかりやすく解説したいと思います。 (松本政雄)

田中孝明(43期)

グローバルプロフェッショナルの基礎知識

日経BP社 1,890円(税込) 2013/8/24

東芝の中国総代表(執行役常務)を務めた著者による国際経営管理の実践的テキスト。世界標準のマネジメントの枠組みを紹介しながら、日本企業の実態に即した国際経営管理の注意点を解説。実務家だからこそ書ける「海外赴任者、必読」の1冊。


伊能 洋(27期)

句集 紫陽花の湖

文學の森 2013/5/29 2,667円(税込2,800円)

 画業と句道の二足の草鞋を履いた筆者が、1984年以降の作品の中から六百句余りをまとめたものです。

萬寺久巣(下山成人)(30期)

山の神を娶った山嫌い男

文芸社 2012/8/15 630円(税込)

 中学2年の雲取山遠足の苦しい思い出から「二度と山なんか登らないぞ」と決意していた彼が、皮肉にも山の大好きな奥様と結ばれ、その影響と協力の下、日本百名山を踏破するに至る経緯をまとめたものである。彼女との出会い、山嫌いの彼が、どうして山にのめり込むようになったかを淡々と語っているが、その背後には奥様に対する彼のやさしい想いが感じられて好もしい。北は北海道の利尻山から南は屋久島の宮之浦岳まで、全国に分布する百名山の殆どを10年もかけずに踏破しており、中学時代に虚弱体質だったとは信じられないバイタリティーが感じられる。
 個々の山行の紹介の他、登山の嫌なところ、大変なところ、山で出会う怖いもの、煩わしいもの、暑さ寒さとの戦いなどもよく書かれており、これから山に登ってみたいという人にも参考になる。高山植物、野鳥、動物達も登場する。百名山踏破の過程で彼は、同期の山仲間との山行も積極的に行い、同期結束の一つの中心をなしてきた事も触れておきたい。(小林尚吾 30期)

 

森川剛光(62期)

Japanizitaet aus dem Geist der europaeischen Romantik

Transcript Verlag(独) 2013/03

教授資格論文、副題は「Der interkulturelle Vermittler Mori Ogai und die Reorganisierung des japanischen 'Selbstbildes' in der Weltgesellschaft um 1900」。森鴎外以降のロマン主義の受容が日本の文化的アイデンティティ形成にどのように作用し、それがどのように定着したかを文化的記憶の概念に基づいて論じました。(森川剛光)


武蔵73会(編)(47期)

僕らが育った時代―1967‐1973

れんが書房新社 2,100円 2012/11

一人一人が立ち返っていく場所、それが1967‐1973年の武蔵だった。われわれが激動の時代を過ごした中学・高校から16人の論稿と31人のアンケートなどで綴る60~70年代の精神史。


犬塚 孝明(37期)

NHK さかのぼり日本史 外交篇 [4]幕末 独立を守った“現実外交"―なぜ、植民地化を免れることができたのか

NHK出版 1,365円 2012/11/23

東アジア諸国が列強に植民地化されるなか、日本は独立を保ち続ける。そこにはトラブル回避の交渉を行う一方で、貪欲に国際ルールを学んでいく「現実的な姿勢」があった。

坂井栄八郎(28期)

ドイツの歴史百話

刀水書房 本体3,000円+税 2012/11

半世紀以上にわたってドイツ史と付き合ってきた中で私自身が出会った出来事、エピソード、あるいは「ちょっと気になること」、そんなことをエッセイ風に書き綴る。

森川 剛光(62期)(訳)(Saral Sarkar 原著)

エコ資本主義批判―持続可能社会と体制選択

月曜社 3,360円 2012/11

経済成長という幻想からの秩序ある撤退を―過去の社会主義の道徳的退廃とともに、資本主義的現実と妥協した現在のエコロジストたちをも痛烈に批判する本書は、自然環境と人間社会を破壊する“開発と搾取”に支えられた成長神話との訣別を私たちに促し、“持続可能な世界”へと向かうための新しいヴィジョンを提示する。(月曜社)


上西秀夫(22期理)

強い住まいをどうつくる 〜TIP構法開発物語〜

創英社/三省堂書店 1,575円 2012/9/10

我が国の建築構造学の創始者であり、耐震構造学の権威である佐野利器先生が95年前に発表された家屋耐震構造論に学び、新たな技術を盛り込んだ「TIP構法」を紹介し、木造軸組構法による「強い住まいづくり」と、併せて日本の文化「木造住宅」の復権を提言する。

※有馬朗人(22期)学園長の推薦の言葉も載っています。
※TIP構法の詳細については、TIPのホームページをご覧ください。
※同窓生の方には割引販売(2割引)されるそうです > 連絡先:eメール

野村卓史(46期)(共編著)

風の事典

丸善出版 8,925円 2011/12/1

風は私たちの社会や生活にさまざまな関わりをもっています。涼を与える心地よいそよ風もあれば,甚大な被害をもたらす台風や竜巻の暴風もあります。本書は風が関わる事柄を,気象や環境,工学,農学からスポーツ,暮らしや文化にいたる約200項目,写真と図を豊富に用いて一般の方にも分かりやすく解説した事典です。自然に吹く風だけでなく,人工的な風から宇宙空間の風まで,私たちと風の意外な関わりに驚かれるのではないでしょうか。(野村史)


水島 昇(59期)

細胞が自分を食べる−オートファジーの謎

PHP研究所 840円 2011/11/19

細胞の中を掃除し、新しく入れ替わる。発生と分化、成長と老化、病気や免疫に深く関わる生命現象の秘密に迫る。オートファジーについて易しく解説します。


永井友二郎(10期)

医学の本道―プライマリ・ケア

青山ライフ出版 1575円 2011/11/10

武蔵10期(現在満93歳)、私の父、永井友二郎が、5年前の「死ぬときは苦しくない」(講談社)に次いで久しぶりに本を出版しました。父は千葉医科大学卒業後、海軍軍医としてミッドウェー海戦、ガダルカナル攻防戦、アッツキスカ撤収作戦等に従軍した後、江田島海軍兵学校教官になりましたが、戦後、成田日赤病院勤務などを経て、三鷹で開業しました。 昭和38年に武蔵同期の平井信義お茶の水女子大学教授(児童心理学)や武蔵12期の原 仁さん(父と同じ武蔵水泳部、東大医卒、開業)と相談の上、「実地医家のための会」を設立、昭和53年「日本プライマリ・ケア学会」設立に参加し、一貫して病人中心の医療をと主張してきました。 本書は過去50年間父の発表した論文や著書の集大成で、家庭医の立場から「日常診療における問診のコツ」「死を看取る医療」など、医者でない人間にも読みやすい内容となっており、八重洲ブックセンター、新宿紀伊國屋書店などの医学書コーナーに平置きになっています。(永井 眞 40期)

井上幸夫(45期)(共著)

就活前に読む 会社の現実とワークルール

旬報社 987円 2011/9/26

就職情報サイトや企業のイメージだけで就職先を選んで大丈夫?職場の実態はどうなっているのか。労働問題に長く関わってきた私を含む弁護士3人が事例を示し、ぜひ知ってほしいルールを38のQ&Aで説明しました。


島田精一(30期)

20代に必ずしておくべきこと

大和出版 1,470円 2011/7/16

 書き下ろしの『20代に必ずしておくべきこ』を大和出版より上梓したしました。これは1年半前にかんき出版より出版した『仕事に必要な言葉』のシリーズで、若者向けの応援歌のつもりで執筆いたしました。日本は今まさに、明治維新、太平洋戦争の敗戦時に次ぐ、第三の国難、さらには米欧の金融経済の大混乱とあらゆる意味でグローバル規模の大変革期を迎えています。このような難局を乗り切るには歴史を紐解くまでもなく、若者の前向きの強いVitalityが必須です。拙著が若い方達の何かのお役に立てれば幸いです。