第15回デンタル武蔵会

 例年デンタル武蔵会は土曜日に銀座東武ホテルにて開催しておりましたが、今回2009年12月27日(日)は、武蔵高校図書館棟1Fの講堂にて16時より恒例の講演、18時より集会場にて懇親会という企画となりました。

 56期幹事の「武蔵で日曜日」という企画が良かったせいか、例年を上回る23人の参加者を集め、定刻通り講演が始まりました。56期・日下部優氏(東京都板橋区開業)の司会で開始、僭越ながら座長を拝命した60期・関谷秀樹(東邦大学医療センター大森病院口腔外科)の「インプラント治療から見た医療崩壊」を基調として、56期・内藤嘉彦氏(東京都渋谷区開業)「国際インプラント学会情報、バンクーバーより」、44期・山口和夫氏(東京都新宿区開業)「知的総合格闘技としてのインプラント」と続き、最後に32期・瀬戸ユ一氏(総合南東北病院口腔がんセンター)のお言葉と「インプラント診療への不信感を払拭するために、歯科医はどうすべきか」という討論と質疑応答で幕を閉じました。

 講演内容ですが、私、関谷は、他院のインプラント治療の失敗例を供覧しながら、その問題点とその救済の方法・課題についてお話しし、続いて内藤氏は、インプラントを特色とする開業医が目指す「認定医」とその研鑽、問題点、そして患者はインプラント医を検索する際に何を目安に探すかという現状についてお話されました。山口氏は、一般的な歯科開業医が目指すインプラントの基本水準と禁忌症について、症例X線を供覧しながら示されました。その内容は、口腔衛生管理を十分自己管理できるようになり、ラポールのとれた患者のみをインプラント治療の対象とし、インプラントは最終手段として位置づけ、上顎洞と下顎神経の近接部位には打ち込まない、術後のリコールを欠かさない、という臨床医の「鏡」と言える安全で患者に優しいインプラント治療を実践しておられ、一同、大変な感銘を受けました。瀬戸氏は、今回の講演にコメントされ、「インプラントに必要な外科解剖と口腔外科手術研修、医学教育の不足とその必要性」、「インプラントレスキューを含めたインプラント教育拡充の必要性」について熱く語られました。質疑応答では、CTのみ撮影してくれるラボとの連携を紹介したり、インプラント歯根部分の植立のみ紹介して、上部構造はかかりつけ歯科医が行うという連携の紹介があり、参加者は参考にしていたようです。

 懇親会では、参加者最年長となってしまった43期・半田秀穂氏(神奈川県大和市開業)の乾杯の音頭で開会し、「自分の弱点」をテーマに参加者の近況報告、インプラントについて大いに語り、盛大なうちに閉会となりました。

 年々、若い世代の参加者が増え、喜ばしいことですが、振り返ると年月の経つのは早いもので、15年以上も経過しております。44期・神田原樹氏をはじめとする45期・55期・56期幹事の方々のご尽力に感謝いたします。 

(60期・関谷記)