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新生武蔵のグローバル構想

武蔵高等学校中学校 校⾧ 杉山 剛士(50 期)

私たちは日々グローバル化が進む時代に生きております。今後、世界にも類をみないスピードで進む日本の少子高齢化の中で、海外企業との市場競争はさらに激化し、「外なるグローバル化」は進みます。
同時に、外国人労働者はますます流入し、「内なるグローバル化」も進みます。また、加速する現象への対応だけでなく、前向きに多文化共生社会の実現を目指すことも等しく重要です。こうした状況の中で、「グローバル化への対応」そして「多文化共生の推進」は、日本人にとって、海外に行く特定の者だけの課題ではなく、すべての人にとっての「must」の課題と言えましょう。

自分とは生まれも育ちも異なる多様な他者といかに主体的に協働していくか。この課題は、将来様々な分野でリーダーとして活躍するであろう武蔵生にとって、避けては通れない課題であると考えております。

こうした「主体的に多様な他者と協働する力」を身に付けるためには、感性の豊かな若い時代に、自分の住んでいた狭い世界から飛び出して、「グローバル」を体感することが重要です。

このたび策定した『新生武蔵のグローバル構想』の中では、「思い切って外へ、もっと先へ」というスローガンを掲げている。すべての武蔵生が、自分が生まれ育ってきた狭い「コンフォートゾーン」を抜け出して、国内外を含め、外の世界に踏み出していく。さらに、次の段階として、フロントランナーたちが海外を舞台に様々な挑戦をしていく。この「思い切って外へ もっと先へ」というスローガンはそうした「量的拡大」と「質的充実」の願いを込めたものであります。

具体的には、第一に武蔵がこれまで⾧年にわたって培ってきた第二外国語を踏まえた国外研修制度の充実、第二に近年進展してきた、例えば英語で科学を学ぶ「RED プログラム」など、学園や大学と連携した取組の充実、第三に 2019 年度から新たに始まった、武蔵ならではの「自調自考の風土」を踏まえた海外サマーセミナーや国内の研究活動に対して支援する「チャレンジ奨励奨学金」の推進。さらに第四に、それらの取り組みの延⾧上に、高校卒業後に選択肢の一つとして海外大学への直接進学を目指す生徒に対する初年度学費への一部支援。こうしたグローバル構想を具現化することにより、世界をつなげるグローバル市民、そして真に信頼され尊敬されるリーダーを育成したいというのが私たちの思いです。

これらの高校中学が直接かかわる「国外研修」、「国内外チャレンジ」、「海外直接進学」にかかる費用は毎年 1200 万円と積算しております。「世界をつなげる武蔵生」を「世界とつなげる同窓生」にご支援いただき、支援をもらった彼らが、やがて次世代のために支援するという「良い循環」が生み出させるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

ぜひとも、同窓生の皆さんには、10 代における武蔵生のグローバル体験への篤いご支援をいただけたら幸いです。

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