著書紹介

【著書紹介】「なぜヒトだけが言葉を話せるのか: コミュニケーションから探る言語の起源と進化」トム・スコット=フィリップス (著) 

(翻訳)66期 畔上 耕介 氏 他


本書はヒトのコミュニケーションと言語の起源と進化についての関連性理論や認知言語学の流れを汲む研究書である。ヒトの言語の起源は意図明示コミュニケーション(ostensive communication)という新しいコミュニケーション様式であるとし、生成文法学派の統語論中心の言語観とは異なり語用論を重視する。「雨が降っている」と言うことによって「出かけたくない」、「傘を持ってきて」等のことを伝えたいことがあるように、一つの発話が文脈次第で様々な意味を持ち得る性質を決定不十分性(underdeterminacy)と言うが、言語にこの性質があることは従来考えられてきたコードモデルでは説明できない。それを可能にした意図明示コミュニケーションが進化の初めからヒトの言語の中心性質だったということを論じる。(66期 畔上耕介)
東京大学出版会 2021年6月30日初版 4,000円(税別)単行本358ページ 
ISBN978-4-13-082020-2

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