著書紹介

【著書紹介】47期 中曽 宏 氏 「最後の防衛線――危機と日本銀行」

中曽 宏 氏著

私が日本銀行で過ごした職業人人生の四分の三は平成の時代と重なりました。その平成の時代に、日本は1990年代の金融危機とリーマンショックに伴う国際金融危機という2つの大きな金融危機に遭遇しました。私は巡り合わせもあって2度の危機を最前線部署で対処する仕事に従事しました。本書で書き残さなければならないと思ったのは、金融機関で、企業で、そして金融当局の現場で、押し寄せる危機の嵐に懸命に抗い、全身全霊をかけて職務を全うしようとした人々の姿です。中には未来を失い、命さえも犠牲にした人々もいました。本書の前半では、危機に対する「最後の防衛線」を担った中央銀行の一現場職員の眼から、「最後の貸し手」機能を中心に日本銀行が果たした役割を論じました。そして後半では金融危機の後遺症のデフレと経済の停滞から脱却するために、奥へ奥へと進んだ「非伝統的金融対策」について概観しました。バブル崩壊を淵源とする日本経済の苦境を様々な立場で経験してきた読者の方々に本書で激動の時代を追体験して頂けるのではないかと思っています。 中曽 宏

出版社 : 日本経済新聞出版
発売日 : ‎ 2022/5/16
定 価 : ‎ 4,200 円+税
単行本 : ‎ 740頁
ISBN-13 : ‎ 978-4-296-11307-1

情報募集について

大学等への進学、就職や転職、住所変更の際は、同窓会事務局までご一報ください。
同窓生の活動、出版、物故などについても、情報をご提供いただける方は、同窓会事務局までご一報ください。